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情操教育のススメ 



生と死を直接、目で見て知ることができる


イヌやネコは、寿命が十数年と人間よりもとても短い動物です。したがって、仔犬、仔猫の段階から飼い始めたとしても、多くの場合、途中でその死を看取ることになります。それは代理の「看取り体験」として、「命はやがて死ぬんだ」ということを学ぶきっかけになります。
また、家で動物がこどもを産んだ場合は、命の誕生というものを体験することができます。おもちゃなど命を持たないものの所有と異なり、動物という、命を持つものとのつながりを通して「命は、生まれ、やがて死ぬ」という、当たり前のことを実際の経験を通して知ることができます。その当たり前のことを、身をもって体験するということは、「何かあればリセットすればいい」とゲームのようにものごとを考えがちな子供達にとっては、とても大きな経験になると思います。

「命を大切にする心」を育む


「命を大切にしましょう」と、言葉を繰り返し子供に言ったとしても、子供自らが「命を大切にしたい」と思い、大切にするのでなければ意味がありません。百科事典やテレビを見せて、命のしくみを知識として教えることはできたとしても、実際に命と向き合ってみなければ命のはかなさや強さというものは分かりません。
命を大切に思う心は、自分の心で感じ、自分自身が身につけていかなければいけないものです。動物に愛情を持ち、心を注ぐことは、自分以外の他者を思いやるという心を育てるための、とても貴重な体験になります。

世話をすることを通じて、責任感を感じることができる


おもちゃであれば、飽きてしまったとしても、押し入れにしまっておけば、それでおしまいです。あそびたいときだけ出して遊び、遊びたくないときはしまっておけばそれで問題ありません。でも、ペットは生きている動物であり、そういうわけにはいけません。自然界では動物は自分で食餌を探し生活していますが、人間に飼われる動物では、生きていくための術をほぼ100%人間に依存しています。人間は、飼い主として世話をしている動物が健康に、幸せに暮らしていけるよう、面倒を見ていかなければなりません。子供は、動物の世話をすることを通じて「自分が頼られる」という体験をします。それは、家庭という小さな社会の中で自分が何らかの役割を果たすという体験になり、その体験はやがて実際の社会に出て行くときに、とても貴重な体験となります。

情操教育の逆効果になってしまうこと

逆効果になるような状況は、動物を飼育するときに、飼い主としてするべきことをしなかったとき親として見せるべきではない姿を見せたときにつくられます。子供への悪影響は、ペット飼育で得られることがらの裏返しとして現れてきます。動物を飼い始め、飼い主として最低限しなければいけないことは、しっかりと世話をして
動物を健康に、幸せに暮らさせること。動物を飼うことで、社会の周りの人間に迷惑をかけないということです。きちんと世話をしなかったり、予防できる病気を予防しなければ動物は不健康になり、その結果、不幸せになります。それは、動物を苦しめるだけではなく、動物を飼うことによって本来得られる、「死の厳粛さ」「命の大切さ」ということがらとは逆にそういうことをないがしろにする心が育っていく危険性が出てきます。

動物飼育は、感情が大きく入り込んでくるものであり、子供の心の成長に役立つものであると同時に、子供の心を大きく傷つける原因にもなります。ペットを飼ったその日から、家族みんなで苦労しながら、努力を積み重ねていかなければ、より良い情操教育は得られません。
ペット飼育を情操教育に役立てたいなら、しっかりと飼いましょう。